不動産(マンション・戸建・土地)の売却を検討している方は、まずその価値を知ることから始めなければなりません。とはいえ、各不動産会社に個別に査定を依頼すると、余計な手間や時間がかかってしまいます。
そんな時に役に立つのが、一度情報を入力するだけで複数の不動産会社から査定額を取得できる「不動産一括査定」です。
この記事では、不動産の査定額を一括かつ無料で取得できる主要サービス8社をご紹介します。
※ 本記事の監修者が監修しているのは法的な手続きや注意点に関する部分のみであり、監修者が特定のサービスを推奨するものではありません。
1. 不動産(マンション・戸建・土地)の一括査定ができる主要サイト8選
ここからは、実際に多くの方に利用されているおすすめの不動産一括査定サイトをご紹介します。各サイトの特徴を理解し、ぜひ自身に適した不動産一括査定サイト選びの参考にしてみてください。
(1)LIFULL HOME’S
運営会社 | 株式会社LIFULL (東証プライム市場:2120) |
提携している会社 | 全国4538社(2024年9月18日時点) (大和ハウスリアルエステート、センチュリー21、朝日土地建物株式会社、京王不動産株式会社、三井住友トラスト不動産、積水ハウス不動産グループ等) |
同時依頼数 | 最大10社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・LIFULL HOME’Sのメリット
大手企業から地元密着の企業まで、提携している不動産会社の数がとても多いのが特徴。物件情報の入力後は、物件の査定を依頼できる不動産会社の情報を一覧で見て自由に選ぶことができます。
不動産会社の特色や意気込みがわかる情報が豊富に掲載されているため、自分の状況や好みに合った不動産会社を選びやすいのもLIFULL HOME’Sの利点です。
マンションや戸建てのほか、土地・投資事業用の倉庫・店舗・一棟など、幅広い不動産が無料査定の対象となっている点も評価すべきポイントです。
また、運営元が上場企業のため、独自の基準をクリアした不動産会社だけを掲載する仕組みをしっかりと確立していたり、個人情報の取り扱いが徹底されていたりと、安心して利用できる点も大きな強みでしょう。
・LIFULL HOME’Sのデメリット
登録事業者数が多い分、どの会社に査定を依頼するのか迷いやすい方もいるかもしれません。
また、当然ですが、登録されている事業者によって社内教育や営業体制などは異なります。そのため、プランを請求した事業者によって対応が異なり、「自分には合わない」と感じることもあるでしょう。
(2)イエウール
運営会社 | 株式会社Speee (東証スタンダード市場:4499) |
提携している会社 | 全国2500社以上 (大和ハウスリアルエステート、センチュリー21、長谷工リアルエステート、三井住友トラスト不動産、住友林業ホームサービス等) |
同時依頼数 | 最大6社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・イエウールのメリット
一回の情報入力で最大6社に査定を依頼することができます。最短約1分程の入力を済ませれば、2〜3日後には結果がわかります。
提携企業には、国内の大手不動産会社はもちろんのこと、地元密着型の優良不動産会社も含まれています。
クレームの多い企業は、イエウール側から契約を解除することができる仕組みを採用しているため、優良な不動産会社が集まっているのも特徴です。
そのような仕組みもあり、しつこい電話営業はありません。丁寧な電話やメールで査定結果を知ることができます。
実際に、他のサービスと比較して利用者数も多く、安心して利用できるでしょう。
・イエウールのデメリット
無料査定をお願いしている以上、不動産会社からの電話やメールが全くこないというわけではありません。
できるだけ多くの査定を取得して平均値を出した方が相場を捉えやすい反面、あまり多くの企業に査定を依頼すると、その分企業からの電話やメールへの対応が大変になる可能性がある点には留意しましょう。
(3)不動産売却HOME4U
運営会社 | 株式会社NTTデータスマートソーシング |
提携している会社 | 全国2300社以上 (みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、京王不動産、HOUSEDO、三井住友トラスト不動産等) |
同時依頼数 | 最大6社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・不動産売却HOME4Uのメリット
2001年に日本で初めて一括査定サービスを展開した実績のあるHOME4U。無駄なく最大6社に一括で査定を依頼することができます。
ウェブサイトからの一括査定の申込みはもちろんのこと、「私の不動産でも売れるの?」といった相談を電話ですることも可能です。
また、運営元が情報サービス事業で業界大手であるNTTデータグループであることから、個人情報の取り扱いやセキュリティ面で安心感がある点もメリットといえるでしょう。
なお、不動産売却HOME4Uでは、利用者がより安心して利用できるように、次の内容を約束しています。
- 不動産会社を徹底パトロール
…利用者に最適な提案をできる不動産会社を厳選。悪質な不動産会社がいないか常にパトロールを実施しています。 - プライバシーマークの取得
…個人情報の取り扱いについて適正企業である認証を取得しています。 - 査定の連絡方法は自分で選べる
…ユーザーは、査定結果の連絡を「メール」「電話」から選択できます。 - 選んだ企業以外からの連絡は一切なし
…査定を依頼する不動産会社(最大6社)は自分で選ぶことができ、それ以外の企業から連絡が来ることは一切ありません。
・不動産売却HOME4Uのデメリット
HOME4Uに限った話ではありませんが、あまり多くの企業に査定を依頼すると、企業からの電話やメールへの対応が大変になる可能性があるので注意しましょう。
(4)いえカツLIFE
運営会社 | 株式会社 サムライ・アドウェイズ (東証プライム市場:2489) |
提携している会社 | 全国約800社 (飯田クループホールディングス、一建設株式会社、大成有楽不動産販売株式会社、株式会社大京穴吹不動産、明和地所株式会社、Century21 (本部)、House Do (本部)、イエスティーション、ピタットハウス、名鉄コミュニティライフ株式会社、京急不動産、東武不動産、名鉄等) |
同時依頼数 | 最大6社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・いえカツLIFEのメリット
相続や離婚、金銭(債務)問題等の諸事情により、急ぎで売却が必要になった物件や、通常よりも売却に手間がかかる物件も数多く対応。
最大の特徴は、「仲介」「買取」「リースバック」の3つの不動産売却方法の査定額を一括比較できる点にあります。
売り出し価格(査定額)が吊り上がる傾向がある「仲介」前提の一括査定サイトと異なり、ユーザーの希望選択に沿って
- 仲介の最高値のチャレンジ査定額
- 買取の最短売却可能価格と売却時期
- リースバックの売却額とそのまま同物件に住み続ける賃料
など、希望の売却方法に沿った家の価値を比較検討することができます。
・いえカツLIFEのデメリット
いえカツLIFEに限った話ではありませんが、あまり多くの企業に査定を依頼すると、企業からの電話やメールへの対応が大変になる可能性があるので注意しましょう。
なお、いえカツLIFEでは一度に最大6社まで査定を依頼することができます。
(5)おうちクラベル
運営会社 | SREホールディングス株式会社 (東証プライム市場:2980) |
提携している会社 | 全国約1500社 (大京穴吹不動産、大成有楽不動産、ロイヤルハウジング、オークラヤ住宅、Century21、三井住友トラスト不動産、京急不動産等) |
同時依頼数 | 最大15社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・おうちクラベルのメリット
東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する一括査定サービスです。実績豊富な優良企業への査定依頼を一度に行うことができます。
一括査定完了後には、AIが算出した査定価格を確認できるなど、独自のサービスも展開しています。
・おうちクラベルのデメリット
不動産の所在地によっては、査定対象外となることもあります。
(6)リビンマッチ
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 (東証グロース市場:4445) |
提携している会社 | 全国1700社以上 |
同時依頼数 | 最大6社 |
入力所要時間(目安) | 約45秒 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・リビンマッチのメリット
大手上場企業はもちろん、地域密着の地元企業も多数登録しているため、様々な規模の会社による査定を一括で依頼できるのが大きな特徴です。
また、プライバシーマーク認定企業が運営しているため、顧客の個人情報は大切に保護されます。個人情報の取り扱いなどが気になる方にもおすすめできる一括査定サイトです。
・リビンマッチのデメリット
エリアによっては査定対象外となることもあります。
(7)すまいバリュー
運営会社 | 不動産仲介大手6社からなる 「すまいValue事務局」が運営 |
提携している会社 | 6社 (小田急不動産株式会社、住友不動産販売株式会社、東急リバブル株式会社、野村不動産ソリューションズ株式会社、三井不動産リアルティ株式会社、三菱地所ハウスネット株式会社) |
同時依頼数 | 最大6社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・すまいバリューのメリット
すまいValueは、マンション・一戸建て・土地などの不動産を、不動産を業界をリードする6社に対して一括査定依頼ができるサイトです。
数千の不動産会社と提携している他の一括査定サイトと異なり、大手6社に限定して査定を依頼できる点に特徴があります。
「実績や経験が豊富な大手企業から査定を取得できれば足りる」と考えている方にとっては大変使いやすいサービスといえるでしょう。
・すまいバリューのデメリット
大手6社が共同して運営しているサイトのため、中小規模の不動産会社や、地域密着型の不動産会社に査定を依頼することはできません。そのため、地元企業も含めた様々なタイプの企業から査定を取得したい方には不向きといえます。
(8)SUUMO
運営会社 | 株式会社リクルート |
提携している会社 | 全国2000社以上 (みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、京王不動産、HOUSEDO、三井住友トラスト不動産等) |
同時依頼数 | 最大10社 |
入力所要時間(目安) | 約1分 |
対応エリア | 全国(47都道府県) |
・SUUMOのメリット
賃貸に強いイメージのSUUMOですが、売却にも対応しています。
SUUMO売却査定では、査定依頼前に簡単に相場を確認できる点に特徴があります。というのも、全国のエリアごとの売却価格相場に、専有面積・間取り・築年数・駅からの距離など複数の要素を掛け合わせ、エリアごとの売却価格相場を事前に確認することができるのです。
また、SUUMOは、多くの方が一度は見たことのある有名なメディアですから、安心して利用できるでしょう。
知名度だけでなく、利用者からの評価の高さも需要なポイント。448人を対象とした調査で、満足度91%超えを達成しています。
参考:オリコン.”SUUMO 賃貸情報サイトの評判・口コミ”.オリコン顧客満足度ランキング 賃貸情報サイト
・SUUMOのデメリット
SUUMO売却査定は、戸建て・マンション・土地を対象としています。農地・一棟マンション・ビルなどの査定はできません。
2. 不動産一括査定サイトとは?不動産会社ではない!
不動産一括査定サイトとは、”自分が所有する不動産(土地・建物)を売るとしたらいくらで売れる見込みがあるのか”を査定できるサイトのことです。
不動産一括査定を依頼すると、一括査定サイトを経由して、全国の各不動産会社にまとめて査定の依頼をすることができます。利用者は1回の情報入力で複数の会社から査定額を取得し、簡単に査定額を比べられるというメリットがあります。もちろん利用は無料です。
(1)不動産一括査定の仕組み
不動産一括査定サイトは、スマホやPCから1回情報を入力するだけで、複数の不動産会社に査定を依頼してくれるサービスです。
通常は、自分で複数の不動産会社を見つけ出し、各社別々に査定依頼をして見積もりを出してもらいます。
しかし、全国に数えきれないほどある不動産会社から自分に合った会社を選ぶこと自体難しいですし、各社別々に査定依頼をして見積もりを出していては時間や労力を無駄にかけることになってしまい非効率的です。
その点、不動産一括査定サイトを使えば、物件と個人の情報を簡単に入力するだけで、複数社からまとめて査定価格を取得することができます。
不動産一括査定サイトは、全国の不動産会社と提携しています。査定の依頼は、不動産一括査定サイトを経由して、各不動産会社(ユーザーが選んだ会社)に届きます。
実際に不動産の査定をするのは、不動産一括査定サイトではなく、提携している各不動産会社です。
(2)自分が所有する不動産の市場価格を把握できる
当然ですが、不動産一括査定サイトを使えば、自分が所有する不動産の市場価格を把握することができます。
不動産の市場価格は時期によって大きく変動するものですし、同じ場所にあっても築年数や間取りなどの条件によって価格は大きく異なります。
単純に「インターネット上で見た坪単価×面積(坪)」といった計算で算出できるものではなく、専門的な知識や客観的なデータをもとに算出する必要があります。
このような作業を自力で行うことは通常困難ですので、不動産会社に依頼して根拠に基づく市場価格を把握しましょう。
(3)手間を省いて簡単に不動産の査定ができる
不動産一括査定サイトを使うユーザーのメリットは、何よりも手間を省略できる点にあります。
自分で不動産会社を探して個別に査定を依頼するという骨の折れる作業を、自宅でスマホやPCを使ってサクッと行うことができます。
一方、不動産会社には、不動産を売りたいと考えているユーザーと接点ができる(実際に不動産を売ることになったとき、自社を利用してもらえるかもしれない)というメリットがあります。このように、双方メリットがある仕組みなのです。
(4)複数の不動産会社の査定額や根拠を比較できる
不動産を売却する上でよくある失敗が、複数社に査定を依頼しないまま売却してしまい、あとから売った金額よりも高く売れることを知るケースです。
意外かもしれませんが、不動産の査定額は、査定をする会社によって金額が大きく異なることがあります。全く同じ物件でも、数百万円の差が生じることもあるのです。そのため、高く売れるところをよく調べてから売却を開始することがとても大切なのです。
一括査定を利用すれば、複数の不動産会社の査定額や、その根拠を自宅にいながら自分のペースで比較検討できます。
査定額だけでなく、各不動産会社の担当者の雰囲気や態度なども比較することができますので、後に売却を依頼する会社を決める際にも役立つでしょう。
3. 不動産一括査定サイトの選び方
ここからは、不動産一括査定サイトの選び方について解説します。「どの一括査定サイトを使えばいいかわからない」という方は、次のポイントを押さえて選ぶようにしてみましょう。
(1)大手不動産会社が登録している一括査定サイトを選ぶ
まずは、一括査定サイトに登録されている不動産会社に着目しましょう。
少なくとも、大手不動産会社が含まれている一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
大手不動産会社が登録しているということは、その一括査定サイトに一定の信頼があると考えて良いでしょう。
また、大手不動産会社には次のようなメリットがあります。
一方で、地域密着型の中小企業にも、該当地域の特性や状況を熟知しているという強みがあります。
大手不動産会社 | 小規模不動産会社 | |
---|---|---|
経営方式 | 多店舗展開 | 地域密着 |
特徴 | ・宣伝力がある ・物件数が多い | ・特定地域に精通 |
メリット | 全国にネットワークが展開されていて、売却のチャンスが増える | 自社エリアについては大手不動産会社よりも詳しい傾向 |
デメリット | 主要地域以外には詳しくない可能性 | 取扱件数が少ない |
以上より、特にこだわりがない方は、大手不動産会社が含まれており、かつ地域密着型の中小企業も数多く含まれている一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
大手不動産会社と中小規模の不動産会社の両方に査定を依頼できる一括査定サイトには、例えば次のようなものがあります。
サイト名 | 提携社数 | 同時依頼数 |
---|---|---|
LIFULL HOME’S | 4538社 (2024年9月18日時点) | 最大10社 |
イエウール | 2500社以上 | 最大6社 |
不動産売却HOME4U | 2300社以上 | 最大6社 |
(2)同時に査定依頼できる企業数が多いサイトを選ぶ
不動産一括査定サイトには、通常、”一度に査定を依頼できる企業の数”に制限が設けられています。
不動産一括査定サイトを選ぶ際は、同時に査定依頼ができる数が多いサイトを選ぶと良いでしょう。
そうすることで、複数の不動産会社の査定額やその理由を比較検討できるというメリットを最大限享受することができます。
目安としては、同時に3社〜6社に依頼することができれば十分でしょう。
一括査定の段階で1社に絞って査定を依頼してしまうと、一括査定のメリットが無くなってしまうためおすすめしません。
同時に査定を依頼できる会社数が多い一括査定サイトのランキングは次のとおりです。
サイト名 | 同時依頼数 | 提携社数 |
---|---|---|
おうちクラベル | 最大15社 | 約1500社 |
SUUMO | 最大10社 | 2000社以上 |
LIFULL HOME’S | 最大10社 | 4538社 (2024年9月18日時点) |
(3)自分が売りたい物件の種類に対応しているサイトを選ぶ
自分が売りたい物件の種類に対応しているサイトを選ぶことも重要です。
一般的な一戸建の住宅や、マンション(区分所有)であればどのサイトも対応しているでしょう。
一方で、土地だけのケース、農地・田畑・山林などが含まれているケース、工場など住宅以外のケースでは、そもそも査定を受け付けてくれないこともあります。
一括査定サイトの多くは、情報を入力する最初の方で「不動産の種類」が選択できるようになっています。
気になる一括査定サイトの入力画面を見て、自分が売りたい物件の種類に対応していそうか確認するのが手っ取り早いでしょう。
例えば、「いえカツLIFE」の入力画面では、上記のような不動産の種類が選択できます。
4. 不動産一括査定を利用する際の注意点&ポイント
不動産一括査定のサービスを使うときは、次の点に注意しましょう。
- 氏名や所在地などの個人情報を伝えなければならないのが基本
- 事業者から電話がかかってくることがある
- 立地や形状などが理由で対応してもらえないこともある
- 情報を詳細に入力するほど査定の精度が上がる
- 査定価格で必ず売れるわけではない
- 査定を依頼する不動産会社を1社に絞り込まない
(1)氏名や所在地などの個人情報を伝えなければならないのが基本
多くの一括査定サイトでは、依頼者の氏名や住所、電話番号、不動産の所在地などの個人情報を入力する必要があります。
個人情報の取り扱いが気になる方は、各サイトに掲載されている「個人情報の取り扱い」に関する記載を確認してから利用しましょう。
もっとも、LIFULL HOME’Sの「匿名査定」など、匿名で査定を依頼できるサービスも存在します。どうしても個人情報を伝えたくない方は、そのようなサービスの利用も検討してみましょう。
(2)営業電話はしつこい?事業者から電話がかかってくることがある
一括査定を利用すると、各事業者から営業の電話がかかってくることがあるでしょう。たくさんの会社に査定を依頼すれば、その分たくさんの業者から電話がかかってくることになります。
電話での営業を避けたい場合は、
- 査定を依頼する事業者を数社に限定する
- 入力フォームの要望欄・備考欄などに「メールで連絡をして欲しい」旨記載する
といった対策をとってみましょう。
(3)立地や形状などが理由で対応してもらえないこともある
査定を依頼した不動産の立地や形状などによっては、そもそも売却の見込みが立たず、査定に対応してもらえないこともあります。
特に、過疎地の土地建物、老朽化が激しい建物、農地・田畑・山林などの不動産は、査定してもらえない可能性があります。
査定してもらえなかった場合には、空き家や訳あり不動産を積極的に買い取っている不動産会社に買取査定を依頼してみるのも一つの選択肢です。
(4)情報を詳細に入力するほど査定の精度が上がる
基本的に、不動産に関する情報は詳しく入力した方が、査定をする側が多くの事情を考慮することができますので、査定の精度が上がります。
入力するのが面倒だからといって、所在地や面積などを大体で入力してしまうと、査定の精度が下がってしまいます。
より精度の高い査定を取得したいのであれば、情報を詳細に入力するようにしましょう。
(5)査定価格で必ず売れるわけではない
査定価格とは、売りたい家の周辺の成約価格、築年数、間取りなどの条件や不動産市況などのデータをもとに、不動産会社が不動産を客観的に評価し、3か月程度で成約にいたると見込まれる金額を算出したものです。
あくまでも「数ヶ月以内に売れるであろう価格」に過ぎず、査定価格と同じ金額で売れる保証はありませんので注意しましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
査定価格 | プロの客観的な評価によって決まる価格。 3か月程度で成約にいたると見込まれる金額。 |
売出価格 | 不動産売却を開始した時点での販売価格。 |
成約価格 | 売主と買主が最終的に合意して決めた契約時の価格。 |
(6)査定を依頼する不動産会社を1社に絞り込まない
複数の不動産会社の査定額やその理由を比較検討できるのが一括査定サービスの最大のメリットです。
そのため、初めての一括査定の段階では、同時に3社〜6社に依頼すると良いでしょう。
一括査定の段階で1社に絞って査定を依頼してしまうと、一括査定のメリットが得られなくなってしまいます。
例えば、一括査定(簡易査定・机上査定)の結果を受けて、その中から2社程度に訪問査定を依頼し、最後に1社に絞って不動産の売却を依頼する・・・というのも一つの方法です。
担当者が現地に赴く「訪問査定」は、たくさんの業者に依頼すると立ち会いの日程調整などで負担感が増してしまうので、対応可能な数に絞ることをおすすめします。
※ 簡易査定(机上査定)とは、不動産の所在地・面積・築年数などのデータを元に査定する方法です。不動産会社によっては机上査定の選択ができない場合がございます。
5. 不動産一括査定サイトの利用方法・流れを解説
ここからは、不動産一括査定サイトを実際に利用する方法や一般的な流れについて解説して行きます。
一般的な不動産一括査定の流れは次のとおりです。
以下、順に詳しく解説します。
【STEP1】査定してほしい不動産の情報を入力する
まずは、査定を依頼する不動産に関する情報を、不動産一括査定サイトの入力フォームに入力していきます。
各サイトによって入力事項の順番や形式(フォーム形式orチャット形式)は異なりますが、画面に表示される指示に従って入力していけば問題ありません。
一般的には、次のような情報を入力することになります。
スムーズに入力するためにも、事前に上記項目を調べておきましょう。
すぐに登記簿謄本などを確認できる状況でなければ、大まかな情報のままでも査定を依頼することもできます。
【STEP2】査定を依頼したい不動産会社を選択する
入力した不動産の情報に基づき、査定に対応できる不動産会社の候補が表示されます。
その中から、実際に査定を依頼をする不動産会社を選択します。
不動産会社を選択する際のポイントは次のとおりです。
【STEP3】査定結果を受けとるための連絡先を入力する
一括査定を依頼すると、依頼した不動産会社から査定結果の連絡がきます。その連絡を受けとるための連絡先を入力します。
日中忙しいなどの理由で電話に出られない方は、メールでの連絡を指定しましょう。査定についてわからないことなどをプロに質問をしたい方は、電話での連絡もおすすめです。
一般的には、次のようなの情報を入力することが多いでしょう。
サイトによっては、住所や氏名などの個人情報を入力せずに査定依頼ができる「匿名査定」を展開していることもあります。
【STEP4】不動産会社から査定についてのメールが届く
物件情報と依頼者の情報を送信すると、しばらくしてから査定についての電話やメールが届きます。
連絡が来るまでの期間は不動産会社によって異なりますが、客観的なデータなどを基に査定額を算出する簡易査定(机上査定)では、依頼当日にメールが届くことが多いでしょう。
最短で1時間~2時間程で、査定についての連絡が来ることもあります。
もし電話を受け取ることができなくても、メールで査定に関する情報を知らせてもらえるため問題ありません。
メールに査定書が添付されている場合は、記載されている査定結果とその根拠についてよく確認しましょう。
【STEP5】不動産会社から査定書や提案資料が届く
不動産会社によっては、メールだけでなく、紙媒体の査定書や不動産売却の流れについて記載された資料等を届けてくれることもあります。
査定結果やその根拠について不明点があるときは、資料に記載されている担当者や会社の連絡先に電話をして、積極的に質問してみましょう。
6. 不動産一括査定に関するよくある質問
Q. 不動産査定とはどのようなものですか?
A. 不動産査定とは、不動産会社に依頼して、所有する不動産がいくらで売れそうか判断してもらうことです。不動産査定の方法には、所在地・面積・築年数などの比較的簡単なデータを元に査定する「簡易査定(机上査定)」と、不動産会社が現地を調査して行う「訪問査定」の2種類があります。いずれにしても、”査定で出た金額で必ず売れる”というわけではないので注意しましょう。
※ 不動産会社によっては机上査定の選択ができない場合がございます。
Q. 不動産一括査定のメリットは何ですか?
A. 一括査定は、1回の情報入力で複数の会社から査定額を取得し、査定額を比べられる点にメリットがあります。複数の査定額を平均すれば、より現実的な相場感を捉えることができます。また、査定額を比較するだけでなく、各社の対応方法や相性も比較できる点もメリットといえるでしょう。
Q. 匿名で不動産の査定はできる?
A. 不動産の一括査定サイトは、基本的に氏名の入力が必要です。無料不動産査定は、不動産会社側からすると、家を売る気が少しでもある方との接点を作るためのサービスともいえます。「氏名すら入力できない=不動産売買をする気がほとんどない」と捉えられてしまいますので、できれば氏名は入力した方が良いでしょう。
中には匿名で査定をしてもらえるサービスもありますが、簡易的な査定であることが多く、精度の高さはあまり期待できません。
Q. 不動産一括査定サイトは本当に無料?
A. はい。完全無料で利用できますのでご安心ください。
Q. 無料で査定してもらったら、絶対に売却を依頼しないといけない?
A. いいえ。査定してもらったからといって、必ず売却を依頼しないといけないわけではありません。
Q. しつこい営業電話がたくさんかかってくるのでは?
A. しつこい営業電話がかかってくることはほとんどありません。
確かに、不動産会社としては、査定を依頼してもらった以上、依頼者とコンタクトをとり、しっかりとその内容を伝えたいという思いがあります。また、もし本当に売却することになったときに自社を選んで欲しいという思いもあるでしょう。そのため、査定結果について不動産会社から電話がかかってくることはあります。
一方で、不動産会社は、しつこい営業電話などをすると、一括査定サイトから登録を外されてしまったり、簡単に会社の評判が落ちてしまうリスクも負っています。
そのため、ユーザーに不快感を抱かせるほどのしつこい営業電話は基本的にかかってきません。
もし、他に信頼できる不動産会社が見つかったなどの事情により、もう電話をかけてきてほしくないのであれば、その意思をしっかりと伝えてあげてください。
Q. 売れそうにない田舎の不動産、老朽化した空き家などはどうすれば良い?
A. 次のような不動産は、一括査定を依頼しても査定してもらえなかったり、価値がないと言われてしまうことがあります。
- 老朽化した空き家、築古物件
- ゴミ屋敷
- 事故物件(孤独死・殺人・事故死など)
- 再建築不可物件
- 共有持分物件
- 違反建築物件
- 旧耐震
- 借地、底地
- 債務整理物件
- 長屋連棟式物件
- 立ち退き物件
- 紛争物件 等
このような物件を手放したいときは、空き家や訳あり物件を専門的に買い取っている業者にお願いして、直接買い取ってもらうことを検討してみましょう。
下記の記事では、空き家や訳あり物件を積極的に買い取っている不動産会社を厳選してご紹介しています。
完全無料で買取金額を査定してもらうこともできますので、お困りの方はぜひ利用してみてください!