相続後に賃貸の部屋を明け渡したり、家を売却するためには、部屋の片付けを行わなければなりません。遺品の整理を進める中で、価値のあるものはできるだけ換金し、遺産分割をしやすくしたり、様々な費用に充てたりしたいと考える方も多いでしょう。
そのようなときに利用したいのが遺品買取業社です。この記事では、おすすめの買取業者のほか、売れやすい遺品や、物を高く売るコツなどについて詳しく解説します。
※ 本記事の監修者が監修しているのは法的な手続きに関する部分のみであり、監修者が特定のサービスを推奨するものではありません。
1. 遺品買取業者とは?遺品整理業者との違い
遺品を整理したいと考えたときに思い付くのは、「遺品整理業社」や「遺品買取業社」だと思います。
両者に正確な区分があるわけではないですが、一般的には次のような意味合いで区別されることが多いでしょう。
「遺品整理業社」は、家の片付けをメインに行い、遺品の仕分け、ゴミの分別や不用品回収、簡易清掃などもしてくれる業者のことです。
片付けに付随するサービスとして、その場で遺品の査定を行い、値段がつくものがあれば買い取ってくれる(遺品整理の費用からその分を差し引いてくれる)業者もあります。
一方で、不要品の買取をするために必要な「古物商許可証」を持っていない遺品整理業者は、遺品買取・不用品買取はできません。
それに対して、「遺品買取業社」とは、その名の通り、遺品を査定して買い取ってくれる業者のことです。
基本的には遺品に限ることなく、様々な商品の価値を査定し、買い取ることを仕事としています。いわゆるブランド品買取業社や、リサイクルショップのようなイメージです。
2. 遺品買取業者は何をしてくれる?メリット・デメリットは?
先に述べたように、遺品買取業社は、商品を査定して買い取ってくれる業者のことです。基本的には遺品に限ることなく、様々な商品の価値を査定し、買い取ることを仕事としています。
遺品買取業社を利用するメリットは、片付けをメインとする遺品整理業社と比べて様々な商品に関する知識が豊富で、高価買取が期待できる点にあります。
一方で、室内の片付けをしてくれるわけではないため、「業者の力を借りてすぐに空き家を片付けたい」という方には不向きかもしれません。そのような方は、遺品整理業社を利用した方が良いでしょう。
3. 遺品買取業者の選び方・費用相場
(1)買取できる遺品を確認
遺品買取業社は、買取の対象となる物を公式ウェブサイトなどで明示しています。
片付けをメインに行う業者のように不用品を何でもかんでも持っていってくれるわけではなく、買取できる遺品はある程度限定されているので注意しましょう。
また、遺品買取業社によって、「腕時計の高価買取に自信がある」「着物の高価買取に自信がある」というように、それぞれ強みや特徴があります。
少しでも高い値段で買い取ってもらいたいのであれば、遺品に応じて、査定や買取を依頼する業者を変えるのも一つの方法です。
(2)一括査定で手間を節約
各業者によって得意分野がありますから、同じ遺品であっても、業社によって買取価格が異なることもあります。
例えば、同じ腕時計であっても、査定額がA社は30万円、B社は35万円、C社は40万円ということもあるのです。
とはいえ、遺品一点一点について各社に見積もりを取っていては手間がかかりすぎて現実的ではありません。
そのような時は、一回の情報の入力で、複数の買取業社から査定額を取得できる「一括査定」を利用するのがおすすめです。
(3)買い取ってもらうのに費用はかからない
多くの買取業社では、査定は無料です。査定額が出た後は、その金額で売るのかどうかを考えれば良く、当然キャンセルすることもできます。
つまり、査定をしてもらったり、買い取ってもらうのに費用はかからないと考えて問題ありません。
なお、不定期に街を軽トラで巡回し、不用品を回収しているような業者は違法である可能性もあるので極力利用しない方が良いでしょう。このような業者については、「無料での回収」と言っていながら、後になって費用を請求してくるといったトラブルも散見されますのでご注意ください。
業者の信頼性に不安な点があるときは、会社名等を検索して口コミなどを参考にするのも一つの方法です。
4. 遺品買取・遺品整理におすすめの業者7選
ここからは、遺品の買取に力を入れている業社の中でも、知名度が高く実績も豊富な業社をご紹介します。
(1)おいくら|複数者に無料一括査定

「おいくら」は一回で複数の買取業者に査定を依頼できる買取専門一括査定サービスです。
一度の情報共有で複数社に査定依頼ができるため、納得する金額を提示してくれる買取業者を効率よく選ぶことができます。
もちろん利用は無料。東証プライム上場企業である「株式会社マーケットエンタープライズ」が運営している安心感も嬉しいポイントです。
(2)バイセル|早く・安く・出張買取

バイセルは無料で出張査定・買取を行ってくれる買取業者です。
「早く、安く、出張買取」をモットーに、全国どこでも無料で出張買取を行っています。バイセルの出張買取サービスは出張料・査定料・キャンセル料などの各種手数料がすべて無料。もちろん、査定の結果に満足いかなければ、売らなくてもOKです。
「まずは査定だけ」という方も受け付けていると明示していますので、安心して査定を受けることができます。
家電、楽器、オーディオ機器、カメラなどのほか、陶磁器、日本画・絵画、掛け軸、茶道具、ブランド食器などの骨董品も正確に査定してくれます。
もちろん、そのほかにも買取対象の物品はありますので、まずはウェブサイトから無料相談をしてみましょう。
なお、出張時に査定を受けた遺品はその場ですぐに現金化してもらえます。スピーディーな買取を希望している方にもおすすめです。
(3)高く売れるドットコム|宅配買取にも対応

東証プライム上場企業である株式会社マーケットエンタープライズが運営する「高く売れるドットコム」は、遺品の中によくある家電、楽器、カメラ、オーディオ機器、着物、古銭、切手、金・銀などの買取を行っています。
全国対応のネット型総合買取サービスですので、地域やジャンルに捉われず様々な商品を買い取ってくれる点が強みといえるでしょう。
店頭への持ち込みはもちろん、出張買取や宅配買取も行っており、ユーザーの都合に合わせて利用できる点も大きなメリットです。
まずはウェブサイトから必要な情報を入力すれば、経験が豊富なスタッフが遺品を無料査定してくれます。
(4)福ちゃん
福ちゃんは遺品買取の中でも、着物や骨董品に力を入れている買取業社です。それぞれのサービス内容を紹介していきます。
福ちゃんの着物買取

まずは、着物を中心い買い取っている「福ちゃんの着物買取」です。強みは、着物に関する知識の豊富さと買取実績、そして何より「高価買取」が期待できる点です。
高価買取が実現できる理由は、福ちゃん自ら「着物市場」を定期的に開催するなど、売り場も確保しているため。呉服屋な ど、全国の小売業者に販売する独自のネットワークも持っています。確かな販売経路があるからこそ、他社より高い値段での買取が期待できるというわけです。
出張料・査定料・キャンセル料はもちろん完全無料ですので、気軽に査定をお願いすることができます。
遺品に着物がある方は、まず電話やメールで無料査定をしてもらいましょう。
福ちゃんの骨董品買取

続いては、骨董品の買取に特化した「福ちゃんの骨董品買取」です。
掛け軸、勲章、絵画、西洋装飾、茶道具など、素人ではその価値を判別することが難しい骨董品も、丁寧・正確に査定してもらうことができます。
もちろん、こちらも出張料・査定料・キャンセル料は完全無料。遺品に骨董品らしき物がある方は、まず電話やメールで無料査定をしてもらいましょう。
(5)ザ・ゴールド

「ザ・ゴールド」は、貴金属や着物などの買取をメインに扱う買取業社です。「ザ・ゴールド」公式サイトによれば、次のような着物はより高く売れるとのこと。
- 有名作家の作品やブランド着物
- 未使用で仕付け糸のついた着物
- 証紙付きの有名産地の着物
- 丈の長い、大きく仕立てた着物
着物・帯飾り・かんざし以外にも、カメラ、骨董品、切手・金券、ブランド物などの査定も行えます。
出張料・査定料・キャンセル料はもちろん完全無料です。遺品に着物がある方は、まず電話やメールで無料査定をしてもらいましょう。
(6)なんぼや|オンライン買取を実施

なんぼやは、ブランド品、貴金属、時計、骨董品などを買い取っている買取業社です。
出張買取、宅配買取のほか、スマホでビデオ通話をしながら査定してもらえる「オンライン買取」にも対応している点に特徴があります。
なんぼや公式サイトには、「他社で買取NGだったキズや汚れのある訳ありお品物でも「なんぼや」なら、しっかり買い取ります!」との記載も。他社で値段がつかなかった遺品も諦めずに査定してもらうと良いでしょう。
もちろん、査定料、送料(宅配買取)、出張費(出張買取)、振込手数料などはかかりません。まずは無料の査定から始めてみましょう。
(7)ティファナ

ブランド品や服などの買取に力を入れているティファナは、宅配買取で遺品を買い取ってもらうのに適しています。
ティファナの宅配買取では、洋服やブランド品などのファッションアイテムだけでなく、食器・小型家電・骨董品・ホビー類などのアイテムにも幅広く対応しています。
ティファナの宅配買取は日本全国から送料・手数料など全て無料で受け付けています。査定のために送った遺品の売却をキャンセルした際の返送料も、ティファナが負担してくれます。
品物の写真を撮って送るだけで簡単に査定額が分かる「LINE見積もり」にも対応。手軽に査定額を知ることができます。
5. 特に高く売れやすい遺品
ここからは、特に高額で買い取ってもらいやすい物品をご紹介します。遺品の中に、該当する物品がないかよく確認してみましょう。
(1)貴金属・宝石・ジュエリー
イメージの通り、貴金属・宝石・ジュエリーは高い金額がつきやすいものの代表例です。
金や銀などの貴金属は、重さに応じた相場が存在しますし、ダイヤモンドには一定の評価基準があるため、通常それに準じて査定が行われます。
一方で、ダイヤモンド以外の宝石は評価基準が曖昧な部分があり、買取業者によって査定額が大きく異なることもあります。
損をしないためにも、やはり複数の業者に査定してもらうことが重要なポイントとなるでしょう。
【貴金属・宝石・ジュエリーを高く売るコツ】
- 「18K」「14K」「925」などの刻印を確認
- 宝石類は複数社に査定してもらうのがマスト
- 保証書や箱などの付属物は捨てない
(2)着物
高く売れやすい割に、素人ではその価値を把握することが困難な「着物」。近年は、外国人からの需要が高まってきたことなどが要因となり、従前と比べて高値がつきやすくなっています。
着物を売るときは、着物の買取に注力している買取業社を選び、複数社の見積額を比較しましょう。独自の販売ルートを持っている業社などは、より高い査定額となることが期待できます。
【着物を高く売るコツ】
- 着物をメインに扱う買取業者を選ぶ
- 有名作家の作品やブランド着物であることの証明
- 未使用品であることを示す仕付け糸がある場合は外さない
- 証紙の確認
(3)骨董品や絵画などの美術品
アンティーク品や古道具、骨董品と呼ばれる古くからあるものは、希少性や歴史的価値から高値がつくことが少なくありません。
海外では日本の古美術品や伝統工芸品が投資の対象としても人気で、高値で取引される例も耳にするようになりました。
しかし、通常は広く一般に認知されているものではなく、コレクターなどの中で評価されるものですので、その価値の把握には困難が伴います。それゆえ、買取業者によって査定額の差が生じやすいジャンルであるともいえます。絵画などの美術品も同様です。
これらの物品は、故人が収集していたものの、相続人らはその価値を全く把握していないということも多いでしょう。
そうであるが故に、遺品整理業社や買取業社の中には、依頼者に知識が全くないとわかると、本来の査定額よりも何倍も安い価格を提示して買い叩くこともあり得ます。
そのような被害に遭わないためにも、信頼できそうな複数の業者に査定をお願いした方が良いでしょう。
【骨董品や絵画を高く売るコツ】
- 骨董品や絵画に注力している買取業社を選ぶ
- 箱などの付属品がある場合は捨てない
(4)高級ブランド品(腕時計・バッグ・アクセサリー・衣服など)
ロレックスやオメガなどの高級時計は、数十万円の高値がつくことが多いでしょう。特に、ロレックスの腕時計は、古いものも含めて価格が高騰していますので、高価買取が期待できます。
ハイブランドのバッグ・アクセサリーなどは、いつの時代も一定の需要があるため、高く売れやすいでしょう。
衣服では、毛皮などのレザー製品、ヴィンテージ古着や高級スーツ、人気ブランドのスニーカーなどが高く売れる傾向があります。
【ブランド品を高く売るコツ】
- 腕時計は査定まで傷を増やさないように保管する
- 箱や保証書などの付属品がある場合は捨てない
(5)カメラ
デジタル一眼レフカメラなど、もともとの定価が高い商品は、中古商品でも高く売れやすいでしょう。
また、カメラには同じブランドでも初心者用〜プロ用まで様々な種類が存在します。カメラの性能によって買取価格が変わることも覚えておきましょう。
キャノンやニコンのデジタル一眼レフなど需要が大きいモデルは特に高額で買取されています。
【カメラを高く売るコツ】
- レンズ・ストラップ・アイピースなどのアクセサリや付属品はできる限りそろえる
- カビや汚れはキレイに拭き取り、必要に応じてメーカーでクリーニングを行う
(6)家具・家電
和箪笥や民芸箪笥、アンティーク家具などは高額での買取が期待できます。
また、元々の定価が高い家具家電であれば、その分高く売れる可能性は高まります。製造から期間があまり経っておらず状態の良い大型家電も高く売れやすいでしょう。
パナソニックやシャープなど、大手家電メーカーの商品は人気が高い一方で、中国メーカーの安価な製品などは買取金額も低めとなります。
【家具・家電を高く売るコツ】
- ホコリや汚れを拭き取って見た目をキレイにしておく
- 保証書、説明書、付属品はできる限り揃える
(7)ゴルフ用品
ゴルフ用品は、もともとの定価が高額なものが多いため、ある程度の査定額が付きます。一方で、古いモデルは激しく値落ちすることもあると心得ておきましょう。
キャロウェイ、テーラーメイド、タイトリスト、ゼクシオなどのゴルフ用品であれば、比較的高い値段がつきやすいでしょう。
【ゴルフ用品を高く売るコツ】
- ホコリや汚れを拭き取って見た目をキレイにしておく
- 単品ではなくセットでまとめて売りに出す
- 新しいモデルが出る前になるべく早く売る
(8)パソコン・スマホ
パソコンやスマホなどのデジタル機器は需要の高い商品で、最新機種に近いモデルであるほど買取価格は上がります。
Mac、iPhone、iPadなどのアップル社製品は特に人気が高く、古いものでも数万円で買い取ってもらえることがあります。
なお、パソコンやスマホのデータはできる限り消去してから買取に出すようにしてください。
【パソコン・スマホを高く売るコツ】
- ホコリや汚れを拭き取って見た目をキレイにしておく
- 箱や付属アイテムをできるだけ揃える
6. 遺品買取で意外と高く売れるもの
(1)金歯
「こんなもの売れるの?」と思いがちですが、形がどうであれ「金」としての価値があります。
金1gあたりの相場は年々上昇していますので、小さなものでもそれなりの金額で売れることが期待できます。
【金歯を高く売るコツ】
- 汚れている場合は食器用洗剤を使って洗っておく。
(2)仏壇・仏具・仏像
仏壇本体、線香立てや蝋燭立、お鈴などの仏具は金や銅で作られていることがあります。そうであれば、貴金属としての価値が評価されますので、一度査定に出してみても良いでしょう。仏像も同様です。
また、仏像などは、金属としての価値がなかったとしても、美術品としての価値がつく場合もあります。
【仏壇・仏具・仏像を高く売るコツ】
- 貴金属の買取に注力している買取業社と、美術品や骨董品の買取に注力している買取業社を含めた複数の業者に査定してもらう。
(3)古い人形
バービー人形やリカちゃん人形などの人気シリーズは、作られた年代によっては高額で売れることがあります。また、日本人形なども、有名な作家の作品とわかれば高額になります。
【古い人形を高く売るコツ】
- 箱や付属品をできる限る揃える
- 繊細な物である場合は壊さないように注意する
(4)日本刀
歴史的な価値のある日本刀は高額で売れることがあります。中には数百万円〜数千万円の値がつく日本刀もあります。
また、名匠が手掛けた日本刀であれば高額となる可能性が高まります。「茎(なかご)」に切られた「銘」などから作品に関する情報が得られます。
一方で、模造刀や偽物にはほとんど価値はありません。
【日本刀を高く売るコツ】
- 鞘、柄、刀箱などの付属品はできるだけ揃える
- 綺麗にしようとして無理に研いだりしない
7. 遺品買取業者の利用手順
ここからは、遺品買取業社を利用する時の流れ・手順をご紹介します。各業者によって細かな手順は異なることもありますが、概ね下記の通りとなります。
出張買取の場合
出張買取とは、遺品がある現場に業者の方が訪問してくれ、その場で査定・買取をしてもらう方法です。
①申込み
②査定日時を決める
③訪問してもらい自宅で査定
④その場で現金買取
宅配買取の場合
宅配買取とは、買取業社に遺品を送って査定をしてもらい、査定額に納得がいけばそのまま買取してもらい、納得いかなければ返送してもらう方法です。宅配用の段ボールを含む宅配キットは、事前に買取業社から取り寄せます。
①申込み
②宅配キット到着
③梱包・発送
④査定
⑤買取代金お受取
8. 遺品整理・遺品買取で注意すること
ここからは、遺品整理をする際に最低限注意したいことについて解説します。
(1)相続放棄をする人は要注意
これから相続放棄をする予定の人や、すでに相続放棄をした人は、安易に遺品整理を行わないように注意してください。
特に、相続財産に該当する物を売却してしまうと、相続財産の「処分」や「隠匿」に該当し、相続放棄ができなくなったり、すでにした相続放棄の効力が否定されてしまいますのでご注意ください。
遺品の売却や廃棄は、相続放棄をしていない相続人が行うようにしてください。
遺品整理や家の片付けと「相続放棄」の関係については、下記の記事で詳しく解説しています。
(2)他の相続人に相談せず勝手に売却しない
相続人が複数人いるケースで、故人の遺言書がない場合、相続財産は一時的に相続人全員のもの(共有)となります。
そのため、他の相続人に相談することなく、一部の相続人が勝手に遺品整理を進め、遺品を売却するなどしてしまえば、相続人間でトラブルになってしまいます。
遺品は原則として共同相続人全員のものであり、全員が納得のいく形で分け合うべきだという前提を忘れないようにしましょう。
(3)処分されたくないものは予め仕分けておく
不用品の回収も含めた遺品整理業社を利用する場合には、処分されたくないものを誤って処分されないように注意しましょう。
遺品整理業社が来る日までに、処分されたくないものは予め別の場所に移動しておくと安心です。
また、遺品買取業社を利用する場合も、相続人間でしっかりとコミュニケーションをとっていないと、手放したくないものを他の相続人が誤って売却してしまうこともあり得ます。
遺品を売却するときは、何を売って何を残すのか、相続人間でしっかりと相談するようにしましょう。
(4)高額買取にこだわりすぎない
故人が大切にしていたものだからこそ高く売ってあげたいという気持ちや、少しでも相続財産を多く残して様々な費用に充てたいと気持ちから、「できる限り高く売りたい」という思いになることもあるでしょう。
もちろん、高く売れるに越したことはありませんが、そればかりに囚われてしまうと、時間や労力がどんどん消費されてしまいます。
複数社からの査定をもらったら、ある程度のところで区切りをつけるなどして、スピーディーに遺品整理を進めていくことも意識してみてください。
9. 遺品の時価を知るための査定に対応している業者
最後に、遺品の時価を知るための査定に対応している業社をご紹介します。
(1)本郷美術骨董館

本郷美術骨董館は、美術品や骨董品の分野で有名な買取業者で、美術品の評価書の作成なども行なっています。
本郷美術骨董館の査定評価では、最新のオークション履歴やビックデータを基に価値を算定します。その時価評価算定の精度の高さから、国税庁および各地税務署からも、美術品等の査定依頼を受けています。
(2)アート買取協会

アート買取協会では、相続財産の評価額を知りたい場合に便利な「美術品時価評価書作成サービス」も行なっています。費用の目安は下記の通りです。
内容 | 料金 |
---|---|
時価評価査定書 / 作成事務手数料 | 33,000円 |
作品評価手数料 | 1点につき11,000円 |
評価に掛かる経費 評価鑑定作業 | 1日(5時間)44,000円 |
交通費・作品の運搬費用等 | 実費 |
所定鑑定機関への鑑定代行料・代行手数料 | 11,000円 |
所定鑑定機関への鑑定料・鑑定書発行料 | 実費(鑑定書発行料は真作時において必要) |
(3)八光堂

骨董品の買取の分野で有名な八光堂。テレビ出演などメディアへの露出も多い買取業者の一つです。
評価のみを前提とした「美術品資産評価サービス」も実施しています。M&A、相続、遺産分割、税務申告などに利用されてきた実績を持ちます。
費用の目安は下記の通りです。
内容 | 料金 |
---|---|
評価基本料 | 110,000円 ※ただし、11点以上の場合には1点あたり5,500円が発生。 |
事務手数料 | 55,000円 |
また、オプションサービスを利用をする場合には、次の費用が発生します。
内容 | 料金 |
---|---|
鑑定代行 | 鑑定代+(鑑定代×10%)+保険料 |
相場レポート作成 | 1回20,000円 |
(4)銀座ギャラリーボヤージュ

現代アートを中心に、国内・海外も問わず、実力ある作家の作品を企画展示・販売する「銀座ギャラリーボヤージュ」。絵画の買取や、売買を抜きにした時価評価書の作成も実施しています。
時価評価書作成の費用の目安は下記の通りです。
内容 | 料金 |
---|---|
書類作成料 | 作品の点数、ジャンル、値段に関わらず 11,000円 |
査定料 | 作品1点、100万円未満:5,500円 作品1点、100万円以上1,000万円未満:11,000円 作品1点、1,000万円以上:22,000円 |
出張・交通費 | 実費(応相談) |
10. まとめ
この記事では、おすすめの遺品買取業社や、遺品整理の際に物を高く売るコツなどについて解説しました。
遺品整理業社や遺品買取業社をうまく利用することで、なかなか進まない遺品整理や部屋の片付けがスムーズに進むこともあります。
一方で、何の予備知識もないまま業者に丸投げしたり、実態がよくわからない業者に頼んだりしてしまうと、大切な品物を安く買い叩かれてしまうなどのトラブルに繋がってしまいます。
ぜひこの記事を参考に、遺品の整理や処分を効率よく進めてみてください。