空き家の片付けをプロの業者に依頼した場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
この記事では、空き家の片付けを業者に依頼した場合の費用、費用を安く抑えるコツ、業者からの見積もりのとり方などをまとめてご紹介します。
1. 空き家を片付けなければならない理由
相続などで取得した空き家を放置してしまう例も見受けられますが、空き家を放置すると次のような不利益があります。
このようなリスクを回避するためには、空き家を売却したり解体したりすることも検討すべきです。しかし、空き家の売却や解体をするためには、まず部屋を片付けなければなりません。
片付けが面倒になり、家そのものが物置のようになってしまうケースも多くみられますが、空き家の維持管理にも費用や手間がかかりますし、年月が経つにつれて不動産の価値はどんどん低下してしまいますので、速やかに片付けをした方が良いでしょう。
なお、特定の空き家については、固定資産税の「住宅用地の特例」という優遇措置が適用されなくなることがありますのでご注意ください(空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報|国土交通省)。
2. 空き家を片付ける2つの方法
空き家の片付けには、大きく2つの方法があります。それは、自力で片付ける方法と、プロの業者に依頼して片付けてもらう方法です。
(1)自分で片付ける
次のようなケースでは、自分で空き家を片付けることも可能かもしれません。一つの目安として参考にしてみてください。
当然ですが、部屋の数が少なく、かつ、物が少ないほど自力で片付けやすくなります。親族や知人の力を借りることができ、作業の日程を空けることができるのであれば、自力で片付けることも検討してみましょう。
自力で作業する方は、下記の記事で空き家の片付け方のポイントやコツをご紹介していますので、参考にしてみてください。
(2)プロの業者に依頼する
一方で、次のようなケースでは、空き家の片付けを業者に依頼した方が良いと考えられます。
間取りが3DK未満だとしても、家具・家財やゴミなどが部屋に散乱しているような場合は、自力で作業を行うと意外と大変です。
片付けのために何日も費やすことになるくらいなら、専門の業者へ依頼することも検討してみましょう。
3. 空き家片付け業者への依頼にかかる費用相場
ここからは、本題である”費用”について解説していきます。具体的な事例と費用の実例もご紹介しますので、業者選びの参考にしてみてください。
(1)空き家片付けの料金表(参考)
空き家の片付けを業者に依頼したときの費用の目安は次の表のとおりです。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1K・1R | 30,000円~80,000円 |
1DK・1LDK | 50,000円~130,000円 |
2DK・2LDK | 90,000円~250,000円 |
3DK・3LDK | 150,000円~400,000円 |
4DK・4LDK | 220,000円〜 |
ただし、上記の表は間取りを参考にした目安に過ぎません。空き家片付けにかかる費用は、部屋の間取りや広さ、家具家財の量によって大きく異なります。
同じ3LDKでも、一部屋がとても広くて物が散乱していることもあれば、一部屋がとても狭くて物がほとんどないこともあるでしょう。
また、一軒家かマンションの高層階かによっても作業にかかる時間などが異なります。そのような差が片付け費用にも反映されるということを覚えておきましょう。
特に、いわゆる「ゴミ屋敷」や「汚部屋」と呼ばれるような状態となっている空き家を片付ける場合は、作業が大変な分、費用も高額となる傾向がありますのでご注意ください。
また、次のようなサービスを別途オプションとして設定している業者もあります。
サービス内容 | 費用の例 |
---|---|
遺品の供養 | 数千円〜 |
消臭作業 | 30,000円~ |
遺品の再送 | 郵便・宅配便等:送料実費 業社による配達:20,000円〜 |
畳の撤去 | 2,000円〜 |
エアコンの取り外し | 5,000円〜 |
庭や雑草・庭木の伐採 | 20,000円〜 |
車の処分 | 1万5,000円~ |
バイクの処分 | 数千円〜 |
リフォーム | 内容による |
解体工事 | 木造住宅の解体工事:2~5万円程度/坪 鉄骨造住宅の解体工事:3~5万円程度/坪 RC住宅の解体工事:4~6万円程度/坪 |
(2)費用の実例①:マンション2階(2LDK)の空き家の片付け
間取り | マンション2階 2LDK |
作業時間 | 1日 |
作業人数 | 7名 |
追加オプション | エアコン撤去、人形供養 |
見積り金額 | 300,000円 |
不用品買取による値引き | -40,000円 |
支払い金額 | 260,000円(税込) |
(3)費用の実例②:マンション2階(2LDK)の空き家の片付け
間取り | マンション2階 2LDK |
作業時間 | 1日 |
作業人数 | 5名 |
追加オプション | エアコン撤去 |
見積り金額 | 250,000円 |
不用品買取による値引き | -20,000円 |
支払い金額 | 230,000円(税込) |
(4)費用の実例③:戸建(3LDK)の空き家の片付け
間取り | 戸建 3LDK |
作業時間 | 6時間 |
作業人数 | 8名 |
追加オプション | エアコン撤去 |
見積り金額 | 220,000円 |
不用品買取による値引き | -20,000円 |
支払い金額 | 200,000円(税込) |
(5)費用の実例④:戸建(4LDK)の空き家の片付け
間取り | 戸建 4LDK |
作業時間 | 1日 |
作業人数 | 8名 |
追加オプション | エアコン撤去、仏壇供養 |
見積り金額 | 450,000円 |
不用品買取による値引き | 60,000円 |
支払い金額 | 390,000円(税込) |
(6)費用の実例⑤:戸建(6LDK)の空き家の片付け
間取り | 戸建 6LDK |
作業時間 | 1日 |
作業人数 | 8名 |
追加オプション | エアコン撤去、物置撤去 |
見積り金額 | 450,000円 |
不用品買取による値引き | 80,000円 |
支払い金額 | 370,000円(税込) |
4. 空き家片付け業者は何をしてくれる?
空き家の片付け業者は、具体的に何をどこまでしてくれるのでしょうか。作業内容は業者やプランによって異なるため一概にはいえませんが、一般的には次のような手順で作業をしてくれます。
(1)必要品と不要品の仕分け
空き家の中にある物を、必要品・不要品、リサイクル可能・不可能、買取可能・不可能などの基準で仕分けていきます。ゴミは、自治体の方針に従って分別していきます。
万が一作業中に貴重品らしきものが出てきた場合には、それも分けて保管します。
なお、作業をスムーズに進めてもらうためには、作業当日までに必要な遺品や形見を相続人らで選別しておくことが望ましいでしょう。
(2)家具・家財の搬出
大きな家具などを家から搬出していきます。引越しの作業を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
(3)不用品の買取・回収・廃棄
家具家電など、買取可能な物がある場合には、業者側で買い取ってくれて、その分を作業にかかる費用から引いてくれる業者もあります。
また、値段がつかないような不用品やごみも、回収・廃棄してもらうことができます。
(4)整理後の簡易清掃
家の中の物がなくなったら、床や窓、水回りなどを簡易的に清掃します。清掃が終わったら、依頼主が部屋の最終確認をします。確認後、料金を精算して作業は終了となります。
なお、業者によっては、オプションで次のようなサービスも提供してくれることがあります。
- 空き家不動産の仲介
- 家屋のリフォーム
- 空き家の解体
- ハウスクリーニング など
5. 空き家片付けの費用を抑えるためのコツ
では、業者に支払う費用を安く抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。そのコツをお伝えします。
(1)ゴミは予め捨てておく
業者に支払う費用を安くするためには、「業者側の作業負担を軽くする」という視点を持つことが重要です。
例えば、家の中にゴミが散乱しているのであれば、あらかじめゴミは集めて捨てておくこともできるはずです。
そうすることで業者側の負担を大きく減らすことができたなら、見積もりの金額も少しは安くなることが期待できます。
(2)不用品は予め譲るか売っておく
ゴミ以外にも、家具・家電・趣味に使っていた物品などが残されていることもあるでしょう。
そのような物を仕分け・運搬することも業者の仕事内容に含まれますから、不用品は予め誰かに譲るか売っておくなどして、物を減らしておけると理想的です。
業者に対して室内の物が少ない印象を与えることができれば、たとえ部屋数が多くても、見積もりの金額が低めに提示されることが期待できます。
(3)自治体の補助金が出るか確認する
空き家の増加が社会的な問題となっている昨今、国や地方自治体も空き家を減らすための対策を講じ始めています。
その一環として、空き家の片付けにかかる費用について補助金を出している自治体もあります。
空き家のある自治体が補助金を出しているのか、補助金の制度があるとしてどのような要件を満たす必要があるのかは、各自治体に確認してみましょう。
補助金の対象となれば、10万円程度の費用を負担してもらえることがあります。
(4)複数の業者から見積もりをとり最安値を見つける
急がなければならない事情があるのであれば、1社から見積もりをもらって即決しても構いませんが、できれば複数の業者から見積もりをとりたいところです。
その結果最安値の業者に依頼できれば、その分費用を安く済ませることができます。
ただし、必ずしも「安ければ良い」というわけではありません。むしろ、見積もり金額が極端に安すぎる場合は、それ相応の理由があると思われますので注意してください。
特に、その費用の範囲内で、自分が求めているサービスを提供してもらえるのか、しっかり確認してから依頼するようにしましょう。
6. まずは無料の一括見積もりから!
自身で複数の業者を探してコンタクトをとり、見積もりをとるのは意外と大変で効率が悪く感じる方もいるでしょう。
そのようなときは、一回の情報の入力で、同時に複数の業者から見積もりをもらうことができる「一括見積もり」を利用してみましょう。
一括見積もりサイトは無料で利用できますので、効率的に業者の選定を進めたい方にはおすすめです。