【チェックリスト】父親・母親が亡くなったらまずやること・今後の手続き一覧

元弁護士

山内 英一

父親・母親が亡くなったらまずやること 相続放棄に関するコラム

「親が亡くなったけど、何から進めればいい?」
「もし家族が亡くなったら、どんな手続きが必要になるんだろう?」
「いつまでに何をすれば良いか、わかりやすく整理された情報が今すぐ欲しい!」

いつかは必ず訪れるご家族の死。それと同時に発生するのがたくさんの”手続き”です。

いざ自分の親が亡くなると、「何から手をつけていいかわからない!」と焦ってしまう方も少なくありません。

ですが、心配はいりません。ご家族の死亡後の手続きについて、予め熟知してスムーズに進められる人の方が稀です。

一つ一つ確認しながら進めていけば、決して難しいことではありませんので、落ち着いて進めていきましょう。

この記事では、身内の死後、遺族となったときにやることをわかりやすくまとめています。特に、”死後2週間”までにしなければならない手続きについては、より詳しく解説しています。

皆様が安心して手続きを進められるよう、わかりやすく説明していますので、ぜひ参考にしてください。

文字をたくさん読むのが難しい方や、やることのリストを手元に保存しておきたい方のために、「チェックリスト」もご用意しました。

親が亡くなったらやること一覧表【チェックリスト】

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それでは早速本題に入ります。

死亡後の手続きの基本的な流れは次のとおりです。本記事でも、下記の時系列にしたがって解説をしていきます。

期限の目安手続きの内容
最初の1週間葬儀の手続きが中心
死亡から7〜10日頃役所での手続きが中心
死亡から10~14日頃(2週目)公共料金等の手続き
死亡から14日〜1年遺産相続に関する手続き
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1. 【チェックリスト】親が亡くなったらやること一覧

親が亡くなったらやること一覧表【チェックリスト】

2.【1日目】親の死亡日当日にやること

1日目とは、死亡日当日のことです。

初日から大変ではありますが、少なくともやらなければならないことが4つあります。

それが、次の4つです。

  • 死亡診断書をもらう(コピーの取得)
  • 近親者への連絡
  • 葬儀会社の選定
  • 遺体の搬送(退院手続き)

(1)死亡診断書をもらう(コピーの取得)

死亡診断書(死体検案書)

死亡診断書は、主治医等が発行します。それ以外の場合は、死亡診断書ではなく死体検案書を受け取ることになります。

死亡診断書は、故人(亡くなられた方)の家族や親族が受け取ります。一般的には、故人の配偶者や子どもなど一番近しい人が受け取ることが多いでしょう。

死亡診断書は今後の手続きで必要となることがあるため、この時点でコピーを複数枚取っておくようにしましょう。

死体検案書について

事故死・突然死(孤独死を含む)・自殺などの場合は警察に連絡します。すると、警察医や監察医による遺体の検案と身元確認が行われます。

必要に応じて、司法解剖や行政解剖などが行われる場合もあります。

その後、死亡診断書の代わりになるものとして「死体検案書」が発行されます。死亡診断書の場合と同じように、受け取り次第コピーを取っておきましょう。

(2)近親者への連絡

故人が亡くなったことを、親族・職場の関係者・親しい友人などに連絡します。誰に連絡するのかは自由です。

当日に連絡する内容は亡くなった事実のみで構いませんが、既に通夜や葬儀の日程などが決まっているのであれば、それもあわせて伝えておくと良いでしょう。

生前に準備できること
予め連絡する人のリストを作成しておくとスムーズに進めることができます。経験者の中には、「お父さんが葬儀に呼んで欲しい友人の名前や連絡先まで気を配れなかったことを後悔している」という方もいます。

(3)葬儀会社の選定

まずはじめに、葬儀について故人の希望があったか確認しましょう。生前にそのような希望を聞いていなくても、エンディングノートなどに書いてあることもあります。

ある程度葬儀の形式が決まったら、希望に合う葬儀会社を探します。特にこだわりがなければ、お住まいの地域にある葬儀会社に連絡をしてみても良いでしょう。

葬儀会社を選ぶときのポイントは以下の3点です。

葬儀会社を選ぶときのポイント
  • 葬儀のプラン(開催場所・規模)
  • 価格帯
  • オプション(祭花壇・遺体の搬送・死亡届の提出・埋火葬・法要等)

病院で亡くなった場合で、かつ家族の要望や近所の風習などが特にない場合は、その病院が葬儀会社を紹介してくれることもあります。

遺体の搬送・死亡届の提出・埋火葬・法要まで、一括してお任せできるプランを用意してくれている場合もありますので、極力を手間を省きたい方は利用を検討してみても良いでしょう。

生前に準備できること
大切な人を亡くした深い悲しみの中、すぐに葬儀会社を選び、手続きを進めることは心身ともに負担が大きいものです。また、葬儀会社を比較検討する時間も十分に確保できません。そのような負担を避けるために、生前から葬儀会社を決め、優先的に葬儀を行なってもらえるよう「生前予約」をしておくという手段もあります。

(4)遺体の搬送・退院手続き

病院で亡くなった場合、ご遺体を病院で安置してもらえる時間は数時間程度に限られるのが一般的です。

そのため、自宅に安置する場合は自宅へ、葬儀会社を利用する場合は葬儀会社の安置場にご遺体を搬送することになります。

搬送と同時に、退院の手続きも行います。退院時に入院費の清算なども行うため、ある程度のお金も用意しておく必要があります。

このとき、「誰が払うのか」「相続財産から払うのか」といったことが、後々トラブルにつながることがあります。できれば、親族で事前に話し合い決めておけると理想的です。

もし「ひとまず自分が支払っておく」ことになったときは、しっかりと領収書等を保管しておきましょう。

(5)お通夜・お葬式の打ち合わせ

2日目以降のお通夜・葬儀に向けて、喪主や受付役などの役割を決めておきます。

このときに死亡診断書を葬儀会社に渡しておけば、死亡届や火葬許可証の手続きを行ってもらえるのが一般的です。

遺言で喪主の指定がない場合、故人の配偶者(故人の妻や夫)が喪主を務めるのが一般的です。

配偶者が高齢であったり、病気であったりと、喪主を務めることが困難なこともあります。その時は血縁関係の深い方(故人の長男・長女など)を優先して決定するのが一般的です。

葬儀に参列するご親族は、喪服等の準備も忘れないようにしましょう。

3.【2日目】死亡届の提出・火葬許可証の取得・通夜

死亡後2日目にすることは、次の3つです。

  • 死亡届の提出
  • 火葬許可証の取得
  • 通夜

葬儀会社のプランに死亡届や火葬許可証の手続きも含まれている場合は、重ねて自身で手続きする必要はありません。

葬儀会社がやってくれるのがどうかよくわからないときは、葬儀会社に連絡して確認してみましょう。

(1)死亡届を提出する

死亡届

「死亡届」は、多くの場合、先にご紹介した「死亡診断書」と同じ一枚の用紙になっています。右側は医師が記入する「死亡診断書」で、左側が「死亡届」です。

死亡診断書と同じ用紙になっていない場合は、役所の窓口に設置してあるものを使います。

届出人となる方は、死亡届に必要事項を記入しておきましょう。死亡届の届出人は法律で決まっています(戸籍法87条1項)。

届出の義務がある人の優先順位
  • 同居する親族
  • 親族以外の同居者
  • 家主、地主、土地(家屋)の管理人

ただし、先順位の届出義務者がいる場合でも、後順位の届出義務者が死亡届を出して問題ありません。また、同居していない親族、後見人が届出をすることもできます(戸籍法87条2項)。

死亡届の提出先は、次のいずれかの役所になります。

死亡届の提出先
  • 死亡者の本籍地の役所
  • 届出人の住所地の役所
  • 死亡した場所の役所

死亡届の書き方がわからなければ、役所の窓口で記入方法を聞いてください。自己判断で無理に書くよりは、わからない部分のみ空欄にして持参した方が効率的です。

死亡届の提出期限は、原則として、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内です(戸籍法86条1項)。

※ ただし、故人が海外で死亡したときは、死亡の事実を知った日から3ヶ月以内となります。

(2)火葬許可証を取得する

火葬をするには、事前に「火葬許可証」を取得しておく必要があります。

死亡届の提出をする際に、役所であわせて「火葬許可証」の発行の申請を行います。

役所によっては、死亡届を出すだけで火葬許可証を発行してくれることもあります。

火葬許可証は、役所に設置されている用紙に故人の本籍地、現住所、火葬場などを記入して申請します。役所に出向く前に、これらの情報をあらかじめ控えておくとスムーズです。

申請が完了したら、その場で火葬許可証を受け取ります。

(3)お通夜

お通夜は、通常、葬儀会社を介して実施するケースが多いでしょう。もし、親族の希望や地域の風習などがある場合は、それに従って実施します。

葬儀会社に任せる場合は、会場の準備や祭花壇の手配、参列者の案内など一連のことは担当してくれるでしょう。

親族がやることは、喪主の決定、参列者の出迎え、代表挨拶、参列者の見送りなどに限られます。喪主となる方は、当日も葬儀の担当者と打ち合わせをして通夜に備えます。

「通夜」と聞くと、すごく大変なイメージがあったり、何をするのかよくわからず不安に思われる方も多いと思います。

しかし、実際にやることは多くはなく、葬儀会社が主導してくれます。あまり気負い過ぎず、落ち着いて進めていきましょう。

4.【3日目】葬儀・告別式・火葬

(1)葬儀・告別式

葬儀の開催形態は様々ですが、個人だけで行うことはほとんどないため、事前に葬儀社と打ち合わせをしておきましょう。

葬儀会社と確認しておく事項は下記のとおりです。

主な確認事項
  • 喪主や受付係などの役割分担
  • 受付、席次、焼香など全体の流れ
  • 祭花壇の手配、会場の設営
  • 弔電の管理

一般的には、2日目に通夜、3日目に葬儀を行うことが多いですが、必ずそうというわけではありません。日程は葬儀会社としっかりと打ち合わせましょう。

(2)出棺・火葬

多くの場合、火葬は葬儀と同じ日に行います。火葬の際、喪主は必ず「火葬許可証」を持っていきましょう。

持っていない場合は、火葬を受け付けてもらえない場合があるため注意が必要です。

葬儀で最期のお別れを終えると、棺を霊柩車に乗せて火葬場へ向かいます。このとき、喪主が霊柩車に同乗し、その他のご家族はタクシーや自家用車、葬儀会社が用意したバスなどに分散して移動するのが一般的です。

事前に参加者数と車の台数を確認し、必要であればタクシーの手配をしておきます。葬儀会社側で手配をしてくれる場合もあります。

火葬は1時間ほどで終わります。待ち時間に次回の法要の日程など、決められることがあれば話し合っておいても良いでしょう。

(3)火葬済の証明の取得

火葬が終わると、遺骨を拾い骨壺に入れます。順序や注意点などは担当者がその場で案内してくれますので、特に準備することはありません。

骨を拾う作業が終わると、骨壺と一緒に「火葬執行済の印が押された火葬許可証」が渡されますので、受け取ります。

「押印済の火葬許可証」は納骨の際に必要となります。紛失しないように自宅で保管し、納骨のときに墓地や霊園に提出します。

万が一、火葬執行済と押印された火葬許可証を紛失してしまった場合は、5年以内であれば(火葬許可証を発行してもらった)役所で再発行してもらうことができます。

(4)初七日法要

「初七日法要」とは、遺骨や遺影の前で僧侶が読経を行う儀式で、本来は文字通り死亡から7日目に行う法要です。

しかし、近年では葬儀と同日に済ませてしまう場合がほとんどですので、別途準備をする必要はありません。

5.【5~7日目】葬儀後の手続き

(1)葬儀代の支払い

通常、葬儀から1週間程度で葬儀会社から請求書が発行されます。それに従って、葬儀代を振り込みます。

契約内容によって、葬儀の当日に支払う場合や、現金で手渡しする場合もあるため、事前に支払方法を確認しておきましょう。

なお、香典は喪主のものとなり、葬儀代に充てるのが一般的です。

故人の預金口座から葬儀代を支払っても良い?

葬儀代を故人の預金から支払いたいと考える方もいると思います。

ただ、銀行に対して名義人が死亡したことを伝えると、故人の銀行口座が凍結されてしまいます。凍結されると、その銀行口座の相続手続きが完了するまで、預金を自由に引き出すことができなくなる点には注意が必要です。

一方で、故人の預金は遺産(=相続財産)ですので、勝手に使うと、遺産を巡るトラブルに発展してしまいます。もし故人の預金口座から葬儀代を支払う場合は、他の相続人にその旨を伝えて、了解を得ておきましょう。

なお、故人(=被相続人)の預金口座から葬儀代を支払ったとしても、基本的には相続財産の「処分」(民法921条1号)には該当せず、相続放棄をすることはできると考えられています。

(2)葬儀代の領収書の取得

葬儀代を支払ったら、その領収書を受け取り、しっかり保管しておきましょう。

この領収書は後日、葬祭費の支給申請手続きに必要となります。

また、相続財産を巡るトラブルに巻き込まれないための証拠資料となることもあります。

6.【7〜10日目】役所での手続き

この期間は、主に役所や年金事務所での手続きを行います。死後10日以内が期限の手続きもありますので、しっかりと進めておきましょう。

下記の4箇所の手続き先で分けて解説していきます。

  • 亡くなった人の本籍地の役所
  • 亡くなった人の住所地の役所
  • 最寄りの年金事務所
  • 最寄りの警察署

(1)亡くなった人の本籍地の役所で行う手続き

亡くなった人の本籍地の役所では、除籍謄本(死亡の事実が記載された戸籍謄本の場合もある)を取得します。

除籍謄本や戸籍謄本は、今後の相続関係の手続きで必要になります。また、相続関係(法定相続人)を確定させるためにも必要になるものです。

もし、その役所で取得できるほかの戸籍謄本もあれば、すべて取得しておいても良いでしょう。

例えば、次のような手続きで戸籍謄本や除籍謄本が必要になります。

戸籍謄本や除籍謄本が必要になる場面
  • 故人の預金口座の残高証明書の取得
  • 名寄帳(固定資産課税台帳)の取得
  • 不動産の相続登記
  • 相続放棄の手続き
  • 遺産分割協議
  • 故人の信用情報の取得
  • 法定相続情報一覧図の取得 など

なお、相続手続きでは次のような書類が必要となることが多いでしょう。

よく使う書類
  • 亡くなった人の出生~死亡までの一連の戸籍謄本(除籍謄本)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

その役所で取得できるものがある場合は、一通り取得しておくと後々手間が省けることがあります。

戸籍謄本等は、役所の窓口で取得する方法はもちろん、郵送で請求して取得することもできます

(2)亡くなった人の住所地の役所で行う手続き

窓口 主な手続き
戸籍・住民票担当・住民票の除票の取得
・世帯主変更届(14日以内・5万円以下の過料あり)
国民健康保険担当
後期高齢者医療保険担当
・健康保険証の返還(14日以内)
・資格喪失届の提出(14日以内)
・葬祭費支給申請用紙の取得
・高額療養費支給申請用紙の取得
(※該当する場合)
介護保険担当・介護保険証の返還(14日以内)
・資格喪失届の提出(14日以内)
・送付先変更届の提出
・還付金の申請
(※該当する場合)
障がい担当
(※該当する場合)
・障がい者手帳の返還
・未払い手当等の申請

各手続きには、10日以内または14日以内などの期限があります。放置しておくメリットはないため、時間が取れる日にまとめて手続きしておきましょう。

手続きによって必要書類は異なるため、あらかじめウェブサイトや電話で確認しておくとスムーズです。

なお、在職中に亡くなった場合、健康保険や年金に関する手続きは、勤めていた会社を経由して手続きをするのが一般的です。

そのため、勤務先に死亡の連絡を入れる際に、これらの必要な手続きについて案内してもらうようにしましょう。

(3)最寄りの年金事務所で行う手続き

亡くなった人の住所地にある年金事務所に出向き、年金に関する手続きを行います。

主な手続きは、

  • 年金受給者死亡届(報告書)の提出
    10日以内(国民年金は14日以内)に提出する。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は原則不要
  • 未支給年金の請求
  • 遺族年金の請求

などです。

故人が年金を受給中だったのか、年金を受給する前だったのかなど、個人の状況によって必要な手続きは異なります。事前に年金事務所に電話をし、必要書類などを確認するとスムーズに進められるでしょう。

実際の手続きは、窓口か郵送で行うことになります。少し複雑な部分もあるため、外出が可能な方は、窓口で直接案内を受けながら手続きをした方がわかりやすいかもしれません。

参考:年金を受けている方が亡くなったとき|日本年金機構

(4)最寄りの警察署での手続き

亡くなられた方の運転免許証については、ご家族が返納する義務はありません。返還しなくても罰則などはありません。

それでも返納したい場合は、最寄りの警察署に出向き、運転免許証を返納します。その際、死亡診断書の写し等の書類が必要となります。

参考:亡くなられた方の運転免許証について|警視庁

7.【11~14日目】故人の諸契約の解約手続き

役所や年金等の手続きを終えたら、公共料金や各契約等の手続きを進めます。

手続きに厳密な期間制限や罰則はありませんが、できるだけ早く行うに越したことはありません。

様々な契約があるかと思いますが、まずは放置していると料金が発生してしまうものを優先して、2種間程度を目安に行うと良いでしょう。

各契約について「解約」をするのか「名義変更」をするのかによっても手続きの内容は変わってきますので、具体的な内容は各契約の相手方に聞くようにしてください。

最近はインターネット上で解約等の手続きができたり、契約者が死亡した際の手続きの流れが公表されていたりすることもありますので、事前にウェブサイトで確認するとスムーズに進められるでしょう。

(1)公共料金の解約(名義変更)

電気・ガス・水道の解約をするため、電話窓口に連絡します。

連絡先は、支払明細に記載されています。もしなければ、住所地に近い電力会社やガス会社に連絡してみましょう。例えば、東京電力や東京ガスなどです。

もっとも、最近は電気やガスの供給について、従来とは異なる企業と契約しているケースもあることは覚えておきましょう。

水道については、一般的に住所地の水道局に連絡を入れます。

(2)電話・インターネット・テレビ等の解約(名義変更)

故人のの契約先を把握するには、支払明細や請求書を確認するのが最も簡単な方法です。

契約先がわかったら、契約者が死亡した旨を伝え、必要な手続きを案内してもらいましょう。

種類連絡先
固定電話電話会社(NTTなど)
インターネット回線会社やプロバイダ
(ソフトバンク・NTT・JCOMなど)
携帯電話ソフトバンク・au・ドコモなどの通信会社
NHK「NHKふれあいセンター」に死亡の連絡
(フリーダイヤル)0120-151515
(ナビダイヤル)0570-077-077

相続放棄をする予定の人は注意!
相続放棄をする予定の方がこれらの手続き進めてしまうと、相続財産を「処分」したものとして、相続放棄が受理されなくなってしまうリスクがあります。他に相続人がいる場合はその人が手続きをしましょう。他に誰も相続人がいない場合は、相続放棄の手続きを先に進めた方が安全です。

(3)生命保険の手続き(死亡保険金)

まずは保険に加入しているか確認し、契約内容を整理します。保険証券や契約内容のお知らせなどの書面を頼りに確認をしていきます。

死亡保険金については、「契約者」「被保険者」「保険金受取人」がそれぞれ誰であるか確認しましょう。

その上で、「保険金受取人」に指定されている人が、手続きを進めます。「保険金受取人」が指定されていない場合は、保険会社の規定に沿って受取人が決まり、その方が手続きを進めます。

なお、自身が「保険金受取人」となっている場合の死亡保険金は、相続財産ではないと考えられています。そのため、死亡保険金を受け取ったとしても、相続放棄をすることができます。

8.【14日〜1年以内】遺産相続に関する手続き

ここから紹介するのは、少し余裕をもって進めることができる手続きです。

とはいえ、相続放棄や相続税の申告など、期限を過ぎてしまった場合のダメージが大きい手続きも含まれますので、忘れないように準備を進めてください。

(1)遺言書の有無の確認

改めて、故人が遺言書を遺していないか確認しましょう。

基本的に、遺言書があればその内容に従って相続財産を分け合うことになりますので、とても重要な書面となります。

よくある保管場所は次のとおりです。

遺言書の保管場所
  • 自宅の引き出しなどに保管している
  • 銀行の貸金庫などに保管している
  • 遺言書を作成した法律事務所で保管してもらっている
  • 法務局に預けている(自筆証書遺言書保管制度を利用している場合)

心当たりがある場合は確認しておきましょう。

遺言書は勝手に開封しないように注意!
家庭裁判所での「検認」の手続きを経ずに自筆の遺言書を開封することは禁止されています。違反した場合は5万円以下の過料となることがあります。自筆の遺言書を見つけたら、家庭裁判所に対して検認の申立てをしてください。
もっとも、開封してしまったからといって、相続権を失うわけでも、遺言自体が無効になるわけでもありません。

(2)遺産の確認

遺産(相続財産)の内容を確認します。この作業を、「財産調査」と呼ぶこともあります。

典型的なのは、預貯金・株式・不動産・車・貴金属などです。「遺産」と聞くと、このようなプラスの財産だけを想像しがちですが、借金やローンなどのマイナスの財産も確認する必要があります。

預貯金や不動産の価値、借金の金額などは、相続開始の時点(=被相続人の死亡日)を基準にして考えます。

各財産の調査方法については下記の記事で詳しく解説しています。

(3)相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)

単純承認・限定承認・相続放棄

相続放棄をすれば、相続を拒否することができます。つまり、亡くなった親の借金・負債を引き継がなくてよくなります。

親に借金がなくても、「長男に全ての相続財産を集中させたい」などの目的で相続放棄が利用されることもあります。

通常通り相続すると決まっている方は気にする必要はありませんが、相続放棄や限定承認を検討している方は、3ヶ月の期限を過ぎないように注意しましょう。

期限を過ぎてしまうと、たとえ多額の借金が遺されていたとしても、原則として相続放棄等ができず、借金を相続することになってしまいます。

(4)亡くなった方の準確定申告(4ヶ月以内)

年の途中で亡くなった場合、相続人が、その年の1月1日から死亡日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。

参考:No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)|国税庁

(5)相続税の申告(10ヶ月以内)

相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。

相続税の申告は、全てのケースで行わなければならないわけではありません。相続税の要否は、遺産の合計金額が、基礎控除額である「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超えるかどうかが一つの目安となります。

超えそうな場合は、相続税の申告が必要となる可能性がありますので、税理士に相談をしましょう。

なお、相続税の申告の期限は上記のとおり10ヶ月ですが、税理士に依頼するタイミングが遅いと、税理士に支払う費用が高くなる(追加料金が発生する)のが一般的です。

そのため、税理士への相談は遅くとも6ヶ月以内にした方が良いでしょう。

(6)遺留分侵害額請求(1年以内)

遺留分とは、法定相続人(兄弟姉妹以外)に最低限保障された遺産の取得分です。簡単に言えば、もし遺言書等があっても「最低これだけは遺産を取得できる」と主張できる割合のことです。

例えば、相続人が2人(長男と次男)いたとして、遺言書に「長男に全財産を相続させる」と書かれていたとします。

その場合であっても、次男は、「相続財産のうち4分の1(遺留分)は私がもらいます。」と主張することができるのです。この請求を「遺留分侵害額請求」といいます。

遺留分侵害額請求は「相続開始と遺留分を侵害する遺言・贈与を知ってから1年以内」に行わなければなりません(民法1048条)。

その期間内に遺留分侵害額請求が行われなければ遺留分を求める権利は自然に消滅します。

遺留分侵害額請求をする場合は、弁護士に相談・依頼した方が良いでしょう。

9.まとめ|焦らず一つ一つ進めましょう

父親・母親が亡くなったときに必要な手続きがこんなにもあるのかと驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、死亡日から2週間はやるべきことが多く本当に大変ですが、焦らず一つ一つ進めていけば大丈夫です。

まだ親が亡くなったわけではないという方は、この記事を読んで、”いざその状況になったらどうするのか”をイメージしておくだけでも役立つでしょう。

葬儀の方法や葬儀会社の選定、遺言書の有無の確認など、生前から家族でしっかりとコミュニケーションをとっておけば、手続きは随分楽になるはずです。

もし、「自分1人で全てをこなすのは難しそう」と感じる方は、ぜひ専門家の力を頼ってください。相続手続きに精通したプロが、あなたの負担を軽減してくれます。

何を誰に相談すれば良いのかわからないという方は、下記の表を参考にしてください。

専門家やってくれること
弁護士・相続に関わる法律相談
・遺言書の作成・検認
・戸籍謄本の取得
・相続財産の調査
・遺産分割協議の代理・遺産分割協議書の作成
・相続登記
・相続放棄の手続き
・遺留分侵害額請求をするorされたときの対応
など
司法書士・戸籍謄本の取得
・相続登記 など
税理士・準確定申告
・相続税の申告 など

身近な人が急に亡くなられても慌てず対応できるよう、この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

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