いざ相続放棄をしようと思ったものの、「放棄するにもお金がかかるのか・・・」「安く済ませる方法はないの?」と感じている方も多いでしょう。そこで、この記事では手続きにかかる費用を安く済ませる方法について解説していきます。
1 相続放棄の手続きにはお金がかかる
相続放棄にはお金がかかります。「放棄するにもお金がかかるの?」と感じられる方もいるかもしれませんが、裁判官や裁判所の職員が稼働しなければなりませんし、戸籍謄本等を発行するにも役所の職員が稼働しなければなりません。誰かが働いてくれている以上、お金はかかるものなのです。
手続きを自分で進めた場合、一般的には3,000円〜5,000円程度の費用がかかります。その内訳は次のとおりです。
費目 | 費用 |
---|---|
収入印紙 | 800円 |
裁判所に予納する郵便切手 | 376円(家庭裁判所により異なる) |
戸籍謄本等の取得にかかる費用 | 1,500円〜3,000円程度(取得する量により異なる) |
レターパックライト | 370円(裁判所に提出する際に使用) |
2 弁護士に依頼した場合は弁護士費用がかかる
相続放棄の手続きを弁護士に依頼した場合、弁護士に支払う費用が発生します。弁護士に支払う費用は、5万円〜10万円程度が相場とされています。
自力で手続きを進めた場合と比較すればその金額は決して安くないですが、手続きのほぼ全てを弁護士に丸投げすることができます。
自分が費やす時間や労力を大幅に削減できる点や、失敗するリスクを最小限にできる点は大きなメリットと言って良いでしょう。
- 自分であれこれ作業していると自分の時間が奪われ逆に損失となる
- 手続きにかかる労力や精神的なストレスをなくしたい
- 迅速かつ正確に自分で手続きを進める自信がない
という方は、手続きを弁護士に依頼してしまった方が良いでしょう。
3 司法書士に依頼した場合も報酬を支払う
相続放棄の手続きを司法書士に依頼した場合には、司法書士に支払う費用が発生します。司法書士に支払う費用は3万円〜5万円程度が相場とされています。
弁護士に依頼した場合よりも費用の相場が安いのは、サポートの内容が異なるからです。
というのも、弁護士は依頼者の代理人として手続きを進めることができるのに対し、司法書士は書類の作成のサポートが主な業務となります。
司法書士は「代理人」として行動できませんので、家庭裁判所からの連絡などは本人に直接来ますし、その対応も自分で行わなければなりません。書類の提出なども、あくまでも本人名義で進めていくことになります。
このように、依頼者にかかる手間などに違いが生まれる分、費用にも違いが生じるのです。
4 手続きを自分でやるのが最も安く済ませる方法
というわけで、「手続きを自分でやる」のが、相続放棄の手続きにかかる費用を最も安く済ませる方法となります。
ちなみに、自分で手続きを行う場合には、次の点に注意することでより費用を安く抑えることができるでしょう。
5 弁護士等の専門家に依頼する際に費用を安く済ませる方法
弁護士等の専門家に依頼する場合にも、費用を安く抑えるためのポイントがあります。
(1)できるだけ早いタイミングで依頼する
弁護士等の専門家に依頼するのであれば、そのタイミングは早い方が良いでしょう。なぜなら、相続放棄の手続きが失敗に終わるリスクが高くなってしまうだけでなく、それに伴い弁護士費用も高くなることがあるからです。
例えば、
- 残されている熟慮期間が1ヶ月を切っている場合
- 相続発生から3ヶ月以上が経過している場合
のように、残されている熟慮期間に応じて費用が加算される費用体系を採用している法律事務所もあります。
このように、費用を安く済ませるという観点からも、弁護士への依頼は早めにした方が良いといえます。
(2)複数人の相続放棄はまとめて依頼する
同一事案において、複数人の相続放棄を同時に依頼すると、一人あたりの費用が割引される費用体系を採用している法律事務所も存在します。
「同一事案」とは、被相続人が同じである場合と考えれば良いでしょう。例えば、母親が亡くなり、その子供である兄弟2人が相続放棄をする場合、2人分の手続きをまとめて弁護士に依頼するのです。そうすることで、各自バラバラで弁護士に依頼したときよりも、費用を節約できる可能性があります。
ただし、全ての法律事務所が上記のような費用体系を採用しているわけではありませんのでご注意ください。
6 まとめ
この記事では、相続放棄の手続きにかかる費用を安く済ませる方法について解説しました。できるだけ安く済ませたい人は、インターネット上の情報や書籍等を参考にしながら自力で進めてみてみても良いでしょう。
「自分で進めるのは難しそう」「失敗のリスクを最小限に抑えたい」と感じたら、できるだけ早いタイミングで弁護士等の専門家に相談してください。
自分でやるべきか、弁護士等の専門家に依頼すべきかの判断に迷っている方は、次の記事も参考にしてみましょう。